05 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.» 07

無効と阻害と展開と

遊戯中心の基本ブログ。他に出来るのはGW・クルセイド・WS・ヴァンガード・BS・Chaos

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--/--/-- --. --:-- | trackback: -- | comment: -- | edit

【決闘小説】 序章 再戦 

世界には、数多の事象が存在する。その事象すべてに、人間一人が遭遇する確率は天文学的確率とも言えよう。


だが、その中の一つならば同じような体験をする人間も多く存在するかもしれない。これはその一つの事象を体験した者達の、体験記録譚である。



「・・・ん、んーーーー。」


一人の人間が、沈黙から脱出する。その沈黙は睡眠、人間の三大欲求である。


「・・・?ここ、どこ?」


その人間が発した言葉は、疑問。どうやらその人間にとっての日常の風景ではないらしい。辺りを見渡し、それを再確認する。


「確か、僕はいつも通りデッキの調整をして・・・、それから普通通り寝たはずなんだけど。これは、まだ夢の世界なのかな?」


『どうやらその可能性が高いかもしれないぜ、相棒。』


その人間に話しかける、別の人間。だがその人間は、何故か透けていた。


「・・・え?も、もう一人のボク!?」


『藍神とのデュエル以来だな、相棒。』


二人の人間が対峙する。その二人は、かつて一つの体を共有した存在。【千年パズル】と言う、エジプトに伝わる七つの秘宝の一つを手にした人間と、そのパズルに封じられた魂。『武藤遊戯』と、名もなきファラオ『アテム』である。


「・・・どうして、僕の前に?あの時とはまた、違うよね。」


遊戯がアテムに質問する。無理もない、遊戯とアテムは『決闘の儀』と呼ばれるデュエルを行った。そのデュエルで遊戯は勝利し、ファラオの魂は冥界に還っている。その還ったはずの魂が自分の目の前にいるのだ。


『・・・どうやら、何者かの意思が働いたのかのかもしれない。あの時とはまた違う何かが。』


あの時、が指す『時』は本人たちにしか知り得ない。しかし、詳しい現状を知る術はお互いに持ち合わせていないようだ。二人はお互いを見直し、微笑んだ。


「改まるのもなんだけど、久し振りだね。」


『あぁ。元気そうで何よりだ。杏子とはどうなんだ?もう恋仲になったのか?』


「もう!ま、まだだけどさ・・・。杏子にも夢があるし、僕にもやりたい事があるからね。」


『そうか。取り敢えず、辺りを詮索してみるか?』


「・・・そうだね。何か分かるかもしれないし。それに、夢かどうかもはっきりさせたいね。」


お互いの意見が一致する。二人は、そのまま前進する。身長差はあれど、歩幅はほぼ同じ。お互いがお互いを置いて行くことは無かった。


どれだけ歩いたのかは分からない。だが二人が沈黙をせざるを得ない状況となっている。二人が歩いている世界の景色は、一言で言えば宇宙。足場らしい足場はないが、決して自分たちの進行が阻まれることは無い。その異様な空間が、二人の感覚を不思議と鋭敏にさせる。


「・・・もう一人のボク。」


『あぁ、どうやらここが出口のようだな。』


二人が立ち止まる。アテムの言う通り、目の前には巨大な扉があった。そこに向かおうとすると、扉の前に一人の人間が立っていた。全身をローブのようなもので覆っており、顔は見えないようになっていた。遊戯がそのローブの人物に声を掛けようとする。だがその声を掛ける前に、その人物の方から声が掛かった。


「初めまして、武藤遊戯様。そして名もなきファラオ、アテム様。」


そう言うと、深く一礼する。遊戯は慌てて、頭を上げるように促す。アテムの方は頭を上げるのを待ち、目線があった状況で言葉を放った。


『聞きたいことがある。ここは何処だ?お前は何者だ?俺達をどうするつもりだ!?』


「ちょ、ちょっともう一人のボク!いっぺんに聞きすぎだよ!あの女の人も困っちゃうよ。」


『だが相棒、ここに連れて来られたという事は、何かしらの力が働いてるかもしれないんだぞ!』


「例えそうだったとしても、一つずつ聞くべきだよ。」


少し焦った感覚になっていたアテムをなだめる遊戯。彼らを知っている人物が見れば、それは少し滑稽に見えてしまう光景だった。


「えっと、君は誰なんだい?」


「・・・申し訳ありませんが、私の名前はありません。呼びにくいようでしたら『アイ』とお呼びください。」


『ならアイ、ここは何処だ?』


「ここは、一つの次元の狭間です。ですが、この空間があなた方に何かしらの干渉をする事はありません。」


「アイ、その言葉は信じても良いんだよね?」


遊戯のその問いに、アイは首を縦に振る。ローブ越しなので、少しわかりづらかったが遊戯は縦に振ったと確信した。


「分かったよ。じゃあ、次の質問をするね。ここからどうすれば出られるのかな?」


「それは、あなた方にデュエルをして頂ければ。その勝敗に関係なく、この空間からお二人は出ることができます。」


『俺達が?・・・まさか俺の対戦相手は!』


その察した語彙の強さに、遊戯もそれを自覚する。それを確固たる事実にするかのように、アイが言葉を紡ぐ。


「・・・はい、遊戯様。名もなきファラオ、アテム様。お二人にデュエルをしていただきます。それも、お互いの魂を燃やすほどの本気で。」


アイの言葉の後、二人は少し無言になる。その沈黙を破ったのは、遊戯だった。


「どうして、僕達が戦わなきゃならないのかな?この空間に出るために必要だってことは分かったけど、僕ともう一人のボクが選ばれた理由が知りたいんだ。」


『それは確かに俺も思った。特に大きな理由はないのか?それとも俺達でなければならなかったのか?』


二人における自然な質問が、アイに投げかけられる。


「この時空の狭間は、別名『絆の間』。歴史上で絆の強かった人々を招き寄せる傾向があるのです。」


「絆の間・・・。じゃあ、この空間の意思で僕たちは呼ばれたってこと?」


「そうです。そして、この空間はデュエルを欲しています。その絆の強き者たちの、熱いぶつかりを。私はそのガイドとして、ここに召喚されたようです。あなた方のようなデュエリストにこのことを説明するために。」


『話は分かった。相棒とデュエルすれば、俺は冥界に。相棒は元の世界に戻れるんだな?』


「はい。それで間違いありません。そして、こちらから一つだけ要求があります。」


「要求?それって一体・・・」


その言葉の後に、アイが手を組む。それに続けて何か呪文を唱えると、遊戯とアテムの二人の腕に見慣れた機械が装着される。


『これは、デュエルディスク!しかも、デッキがすでに装填されている。』


二人の腕に装着された機械。それはこれまでデュエルをする際に使用した、デュエルディスクであった。しかもアテムの言う通り、そこにはデッキがすでに装填されている。


「お二人には、こちらでご用意したデッキでデュエルを行っていただきます。お互いのデッキの象徴は入れさせて頂いています。その上で、お二人にはデッキを確認していただきます。流石に、分からないデッキを使用するのは抵抗があるかと思います。それに合わせて、お二人に知識を加えさせていただきます。」


「知識?」


遊戯がそう言うと、二人の頭を一瞬何かがよぎった。よぎったものは、一言で言えば、二人が見たことのないカード。そしてそれらに関するルールだった。


『・・・成程な。俺たちより未来のカードもこのデッキに入ってると言う訳か。』


「はい。それを踏まえた上で、必要な知識をお二人に加えさせて頂きました。絆の間から出た後に、ここでの記憶が残ることはありません。そこはご安心を。」


「何か不思議な気分だね、もう一人のボク。僕たちの知らないカードを僕たちが使うってことが。」


『あぁ。だが、俺たちに馴染みのあるカードが多い。この絆の間は、俺たちのイメージを具現化したデッキで本気のデュエルを見たいようだな。・・・よし、俺は準備完了だ。』


「僕も、準備OKだよ。もう一人のボク、僕は負けないよ。今回もキミに勝つ!」


『残念だが相棒、今回は俺が勝つ。俺の本気、もう一度見せてやるぜ!』


二人があの時と同じように、距離を置く。デッキを用意したアイは、とあるノートを出す。そのノートの存在を二人は見ることができない。そのノートの意味するものが何なのか、それを知るのはアイのみだった。


「行くよ、もう一人のボク!」


『あぁ、相棒!』


『「決闘!」』



今ここに、最強の決闘者二人の再戦が行われることとなった。
2016/06/10 Fri. 13:46 | trackback: 0 | comment: 0edit

コメント

コメントの投稿
Secret

トラックバック
トラックバックURL
→http://majic0force.blog87.fc2.com/tb.php/1865-39ac0cbf
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。