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無効と阻害と展開と

遊戯中心の基本ブログ。他に出来るのはGW・クルセイド・WS・ヴァンガード・BS・Chaos

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第2.5章 学校生活1日目 

-第2.5章 学校生活1日目-


さーて、今日もいつも通り太郎君を迎えに行きますかー。きっと学校生活初日から遅刻しそうになる事が目に見えてるからね。今日も太郎君の寝顔を堪能させてもらおうかな。



「おはようございます、おじさん・おばさん。」


「お早う、加奈子ちゃん」


「うむ、お早う」


「よっ、加奈子。」


「おはよー、太郎君。・・・えっ!?」



どういう事?今、聞こえるはずの無い声が聞こえた様な・・・。私は、恐る恐るリビングの方を覗く。そこには私が起こしに行くはずだった太郎君がもう着替えて準備を済ませていた。



「何だよ、鳩が豆鉄砲食らった顔して。」


「太郎君が着替えてる・・・。今日は雪?霰!?どうしたの?今日は二度寝を誘われる位朝が心地良かったのに!!!」



そう、太郎君じゃないけど私も危うく二度寝する位に今日の朝は気持ち良いポカポカ陽気だった。その陽気に勝った太郎君なんて・・・、想像できないよ。



「そうだな、心地良かった。それでも今日という日が俺を寝かせなかったんだよ。」



今日?今日って学校生活最初の日だよね。それ以外に何か行事ってあったかな?そう言えば昨日のプリントに確か今日は何かするって・・・・・。



「・・・あ、身体測定の日か。」


「そういう事。珍しくお前を待つ立場になったから暇してたんだ。学校行くぞ、もう準備出来てっから。」


「・・・うん。」



それを聞いて、自分は自分だけウキウキしている事が憎くなった。太郎君、あの事故から人前で着替えるのが嫌になったんだよね・・・。特に身体測定の日なんて、自分の体曝け出すから。


あの時の傷が消えなかったんだっけ、結局。一度見せてもらったけど、あれは確かに他の人が見たら引いちゃうって見せてもらった時は思った。でも、私だけは離れないって決めたから。



ポン



そんな事を考えてると、頭の上に何かの感触を感じた。私は虚を突かれた事もあり、情けない声を上げてしまった。



「ふぇっ?」


「心配すんな、俺はもう逃げないから。」


「・・・大丈夫?」


「あぁ。今日はもう決心した。見られても笑って流せる、そんな日にしたい。だから一番近くに居たお前がそんな顔するな。いつもの調子で行け。」


「・・・うん!!!」



その時の太郎君の顔は確かに、しっかりとしてて前を向いてた。・・・思わず見惚れちゃったのは内緒。太郎君がしっかりしてるんなら、私も元気出さなきゃね!


私の顔を見て安心したのか、太郎君の方から話が切り出される。いつもは私からだから新鮮だな。こう言うのもたまには良いよね。



「あー、どんな奴らと同じクラスになるんだろうなーっ。」


「少なくとも学校の注目の人達とは一緒だよ。」


「クラスが五月蝿くなるのは敵わん。俺は耳栓してうつ伏せる。」


「五月蝿いのやっぱ嫌いなんだね。一緒に輪に入れば良いのに。」


「俺は少数集落には興味あっても、大型集落に興味は無い。その辺はお前が一番知ってるだろ。」


「まぁ、そうだね。でもその分、『親友』って言える人達になってるよね。今も連絡取り合ってるんでしょ?」



太郎君は、見えない所で気配りが利く。それは近くに居た私が一番知ってる。だからこそ、知ってる人は学校内で有名な人よりも太郎君と仲良くなりたいって人が居る。


太郎君の良い所はもっと知ってもらいたい、それは私のいつも願ってる事。太郎君ほど外見外れな人も居ないんだよね、クスッ。


それに・・・、太郎君自分の友達の事、口では嫌々言ってても凄く嬉しそうに話すもんね。私も嬉しくなるなぁ、太郎君の笑顔は見てて癒されるもん。



「あいつらが一方的に、な。ちゃんと返信してるし、あいつらも俺からは来ないって自覚してるな。」


「だねー。」


「・・・、そう言えばさ。お前、俺が助けた双子の事覚えてるか?」



どうしたんだろいきなり。そんな事を思わせる質問が太郎君の口から飛んできた。



「え?うーん・・・、ご免。あの時はただ太郎君が助かった事だけで頭が一杯だったから。」


「そっか・・・。」


「どうしたの?」


「いや、ただ思っただけだ。今どうしてんのかなーって。朝早く起きちまったからそんな事考えたのかもな。」


「・・・太郎君は」


「ん?」


「太郎君はその二人をどう想ってるの?」



これは純粋な興味。だけど同時に確かめたかった事でも有った。話の流れから聞いても問題なさそうだったから、私は思い切って聞いてみた。



「どうって・・・。俺が勝手に助けて勝手に怪我しちまったから、どうとも言えないけどな。」



うん、分かってた。太郎君はきっとそう言うだろうって。いつだって太郎君は、自然に本音を隠す。今の本音を私は知る事が出来ないけどきっと今のが本音じゃないって事位は分かった。


だから私は言う。私の方は本音を。だって私は顔覚えてないけど、その双子の事・・・。



「私は・・・」


「私は、ちょっと許せないかな。いくら小学生の時だからって、太郎君が死にそうになった事に変わりないから。だから・・・。」


コツン



「あいたっ!」


「お前は阿呆か。俺が今こうして生きている。お前は確かに俺の事を思ってそう言ってくれるのかもしれない。それは有り難いが、あの二人は故意にあそこに居た訳じゃない。実際の話は車の方が突っ込んで来たんだからよ。お前は恨む矛先が違う。」


「そうだけど・・・。」



あそこに双子が居なかったら、太郎君は助けに行かなかったし、そんな大怪我を負って死にそうになる事も無かったし、今も傷が残る事もなかったから・・・。だから私はやっぱり太郎君には悪いけど、その2人を許せないと思う。太郎君の人生を滅茶苦茶にしたんだから。



「それに微かに覚えてるが、あの二人俺に謝ってたろ?それとお礼も言われた気がする。あの頃からそう思ってたなら、再会したら謝るかもな。」



うん、それは覚えてるよ。私と一緒に泣きながら謝ってたもん。だから、だからなんだよ?あれから連絡が途絶えて、何もして来なかった。その時の私は、その時だけだったんじゃないか。泣いて見せただけなんじゃないか、そう思っちゃったんだよ。だからね・・・



「・・・」


「黙るなよ。お前がそう思ってくれるのは嬉しい。だけど、俺は過去に対峙するって決めた。この傷跡見られてもう帰らないって決めた。だからそんな時に双子に再会したとしても、お前がその二人を許せないとしても、俺に免じて許してやってくれ。」


「・・・うん。ごめんね、太郎君。朝から変な気持ちにさせて。」


「全くだ。だから今日、昨日の約束通り駅前のカフェに行こうな。」


「えっ?それまだ覚えてたの!?もう忘れてくれたと思ってたのに~。」


「甘いな加奈子。こう言うのはあの時敢えて忘れたフリをして、思い出させてがっかりさせるのが良いんじゃないか!ほら、行くぞ。」



そう言って私を置いて太郎君が先に走り出す。これはきっと太郎君なりの私への励ましと元気付け。だからそれに私は応える。今は、あの気持ちを胸の中に抱いて。



「もう、待ってよ!太郎君のいじめっ子~!!!」



そう言いながら、いつも通りの顔を振舞って私は太郎君の後を追う。これで良いんだよね?太郎君。今の顔、太郎君にはどう映ってる?嫌な顔になってないかな?



この後、さっき言った太郎君との約束が思いもがけない形で破られる事になるとは、この時の私はまだ微塵も思っていなかった・・・。




-午前8時15分 1-A-


「ここだな、俺達の教室。」


「うん。なんかもう結構皆来てるみたいだね。」


「・・・いや、あれ見ろ。」


クイクイ


「えっ?・・・あぁ成る程。」



太郎君に示された方を見る。あぁ、昨日の御二人に皆が集まってるんだね。でも凄いなぁ、あんなに大勢の人としっかり喋れるなんて。私だったら女の子は大丈夫でも男の子は無理だね、自信がある。・・・まぁ私はそんな有名人じゃないから、そんな機会訪れないけどね。



「しかし、変わらず話題性が高いな。あの2人。」


「でもルックスも関係してるんだと思うよ。香織さんだっけ?彼女凄く美人さんだし、真治君だっけ?彼凄く格好良いみたいだから。」



昨日見た私が言うんだから間違いない!と付け加えたかった。本当に昨日の印象はそんな感じ。でも私は、黒木君よりは太郎君の方が格好良いと思うよ?



「ふーん・・・。」


「相変わらず、人気者は苦手ですかな?」


「別に。疲れねーのかなって思うだけだ。俺なら速攻で振り払う。自分の評価落としてでもな。」


「太郎君ならやりかねないね。ってかやるね絶対!」



過去の私の経験上、これは断言出来る。太郎君、自分に正直な所あるからなぁ。だから誤解されやすいんだよね、外見外れなのも触れ合わないと分からないし。でも人って結局そうだよね、外見によらないから。


あ、太郎君の顔がふてくされた。断言されたのがショックだったのかな・・・。ん?向こうから誰か来る、誰だろ?



「君達、あの2人が気になるのかい?何なら教えてあげようか、この僕が!」


「えっ?」「結構だ、軟派野郎。」



突然話しかけられて戸惑う私を他所に、太郎君は見ず知らずの人でも変わらない毒舌。いい加減その対応は辞めようよ・・・。だから誤解されちゃうんだよ?なんて思ってたら、太郎君が小声で私に話してきた。



(おい、加奈子。)


(どうしたの太郎君、そんな小声で。)


(それとなく聞きたそうに、あの二人の情報を引き出してくれ。そこの軟派野郎から。ついでにそいつの名前も。)


(えぇっ!?無理だよ、太郎君以外の人とくだけて話すなんて!)


(誰がくだけろって言った。普通で良いんだよ、普通で。)



普通ってどんな風なの?もうっ、いっつも太郎君は突拍子も無い事をいきなり言い出すんだから。・・・私が太郎君以外の男の子と話すの苦手なの知ってるよね?でも、私も気になるからここは後で責める事にしよう。



「えっと、私は教えて欲しいんですけど、良ければ教えて頂けませんか?」


「勿論だとも!そこの君も、ついでに聞いておくと良い!彼女の知り合いみたいだからね。僕は優しいからさ、ハッハッハッハッハ。」



太郎君の毒舌に怯まないなんて・・・。この人意外に大物かも。



「あぁ、自己紹介がまだだったね。僕は出席番号15番、眞鍋庄太郎だ。彼らと同じ赤神中出身。宜しく2人共。」


「えっと、出席番号1番伊藤加奈子です。青神中出身です。」


「・・・1番東太郎、同じく青神。」


「2人共、青神なんだ。へぇ、よくここに来れたね。大変だったんじゃないかな?受験。」


「まぁ、大変でしたね。結構難しかったですから。」



でも、太郎君がここを受けるって言ったから私も頑張ったんだよね。・・・あの時は受験勉強が、本気で拷問に思えたよ。太郎君はB+貰ってたのに対して、私はDだったからなぁ。今となっては教えてくれた太郎君に感謝しないと。ありがとう、太郎君。



「だよねぇ。あぁ、そんな話じゃないね今は。あの2人の事だよね。えっと、名前は昨日のあれで知ってるよね?」


「はい。苗字が同じなんですけどひょっとして・・・。」


「うん。双子だよ、香織さんがお姉さんで真治君が弟。二卵性双生児らしいね。」



二卵性双生児って確か・・・、男の子と女の子の双子になる事だっけ?詳しい事は良く分かんないや。一卵性が同姓だったはずだよね。多分これで間違ってないはず。



「そして二人は、あの黒木財閥のご子息なんだよ!知ってる?」


「えーっ、そうなんですかーっ!?」



黒木財閥って言ったら、今は知らない人は居ないって位の昔からある運送トラックとかの会社のトップだよね。この間確かその社長さんが、テレビに出てたし。凄いなぁ・・・あれ?どうしたの太郎君、顔が怖いよ。



「おい、眞鍋。」


「何だい、東君。いきなり呼び捨てだけど、僕は寛大だ。それ位何て無いさ。何かな?」


「黒木財閥って確か昔、黒木運送って名前じゃなかったか?」


「うん、よく知ってるね。確か、7年前くらいかな。当時の社長が小学生の子供を轢いちゃって、それから名前を変えたんだ。その時の事故で轢かれた子供は奇跡的に助かったらしいよ。」



え?今、眞鍋君何て言ったの?え?どうしたの太郎君。顔色が悪くなってるよ?



「確かあれって自動車の整備不良だったらしいね。その時は、彼女ら2人に車が向かってたんだけど、どこからか現れた小学生の子供がその二人を助けたらしいね。そのお陰で彼女らは無事。でも未だにその小学生の事は分からないんだって。名前、轢かれた側のご両親が伏せたらしいよ。出さないでくれって。」



その話・・・、もしかして太郎君の事故の事を言ってるの?私がそれを自覚した時、太郎君は机に左手を右手を頭に置いていた。顔は・・・、さっき以上に青白くなっていた。



「どうした、東君。顔色が悪いよ!?保健室に行った方が良いんじゃないか?」



こんなに苦しそうで取り乱した太郎君初めて見た・・・。でも、それより今は!



「太郎君。・・・保健室行こう?」


「・・・あぁ。眞鍋、すまない。」


「いきなり謝らないでくれ。気にせず行って来た方が良い。今の君の顔は確実に悪い物を食べた時以上に苦しんだ顔だから。」



うん、真鍋君の言う通りだよ。原因はやっぱり・・・、今の話だよね?


取り敢えず私は、一声掛けた後に太郎君に肩を貸す。そんな私の肩を借りてくれた太郎君。今は嬉しさよりも、太郎君の事が心配だったので、眞鍋君に伝言して太郎君を保健室に連れて行く事にした。



-保健室-


身体測定の日というのもあったお陰で、多少保健室はあわただしくは有ったものの、保険の先生が居てくれた。私は保険の先生に事情を話し、太郎君をベッドに寝かせる。



「しばらく横になってなさい。貴女、同じクラスよね。彼が保健室で休んでる事、担任に伝えておいて。それと今日は身体測定だから、貴方は後で測定ね。」


「・・・はい。すいません、二日目から。」


「学校生活的には初日ね。だけど、体調悪いのに学校来る精神はいただけないわよ。無理しないのも学生の本業、学業に触らないんだから。」


「太郎君、大丈夫?」


「・・・あぁ。お前は先に帰ってろ。落ち着いたら戻る。」



本当は帰りたくない。正直、今戻ったら多分昔と同じ事になるんじゃないかって言うのが、少し有った。だけど一番は・・・、心配で太郎君から離れたくなかった。だけどここを離れなかったら太郎君に余計な心配掛けちゃう。私は、ここは太郎君に心配を掛けない方を選んだ。



「・・・うん。戻らなかったら、帰る時迎えに来るね。」


「おう。そうだ、男子と話す時は出来る限りいつも通りくだけず頑張れ。女子とはいつも通り話せ。お前の人当たりの良さなら、女子もお前の男子に対する心情が分かるさ。中学とは違うからな。」



こんな時まで、私の心配しないでよ・・・。ありがとう、頑張って太郎君の期待に添えるね。だから太郎君は、ゆっくり休んでて。



「分かった。じゃあまた、後でね。」



ピシャッ



とは言ったものの・・・。本当に私に出来るのかな?不安だけが胸に残るよぅ・・・。



-午前8時40分 1-A-


もう先生来てるかな・・・。あ、来てる。取り敢えず入ろうっと。



「失礼します・・・。」


「ん?君は?」


「あ、えっと・・・出席番号1番伊藤加奈子です。」


「あぁそうか。さっき眞鍋から聞いたよ。同じ出席番号1番の東だったか?彼を保健室に運んでくれたんだろ?助かった、ありがとう。」


「いえ、自分からやった事ですので。」


「私は楠木楓。このクラスの担任になる。同時に数学を受け持つ。よろしく。」


「はい、よろしくお願いします。あの・・・、席について良いですか?」


「ん?あぁ、済まなかったな。座ってくれ。」



そういって私は席に着く。太郎君の事は心配だけど・・・、今はここに慣れなきゃ。余計な心配掛けない様に。それと後で、眞鍋君にお礼言いに行こう。先生に言ってくれてたみたいだから。


その後、HRは淡々と進行された。先生の性格上なのかもしれない。クラスは取り敢えず聞いておこうという人がほとんどだった。勿論、あの二人の黒木さんも・・・。



「じゃあこれから・・・、」



ガラッ



「太郎君!」


「君は・・・、出席番号1番東太郎だな。私は担任の楠木楓だ。数学の担当になる。」


「・・・東です。これを。」


「早退届か。気分が悪いのか。」


「はい。申し訳有りません、初日から早退してしまって。」


「・・・いや、今の君の顔はクラス全員が帰って良いと言ってくれる。それだけ悪すぎる。今日は帰りなさい。明日も続く様なら学校に連絡を入れなさい。」


「はい。失礼します。」



そう言って、太郎君は皆と先生に一礼した。その後、私の方を向いてこう言った。



「悪いな、先に帰る。」


「うん・・・、気をつけてね。」



今の私にはそれだけしか言えなかった。太郎君の顔色が悪いから、早く返してあげたかったのも有るけど・・・。太郎君の顔は顔色は悪くても何かを決めた顔をしていた。ずっと見てきたからこそ分かるちょっとの変化だったけど。



ピシャッ



「よし、お前ら。これから身体測定に移る。女子は隣の空き教室に行け。男子はここで着替えろ。」



はーい


(太郎君、まだ顔青かったけど大丈夫かな・・・。あの事故の事は、やっぱり太郎君にはきついものだったんだね・・・。でもあの黒木姉弟が、太郎君の助けた双子って本当なのかな?)



太郎君が帰って、珍しく私は冷静に物事を考えていた。そう、いつも太郎君がしているみたいに。でも深く考える時間も無く、私を含めた女子全員が隣の空き教室に行く。


空き教室に行った瞬間、私は質問攻めに遭う。内容は、さっきの私と太郎君とのやり取りからの太郎君との関係。私は普通に対応する事でそこを上手くかわす。女の子相手なら普通に話せるもん。


黒木さんは、残りの女子と自分に質問攻めしてた女子に質問攻めされている・・・。人気者は大変だなぁと思いながら、私は着替える。上着を脱いだ所で、胸部に何か感触が生まれた。



ふよんっ



そう、誰かに触られた感触。今、私の胸が誰かに後ろから掴まれてる。実感した瞬間、私は声を上げていた。



「ひゃあっ!」


「おー、私たちに差をつける様な成長は主にここか?ここなのかぁ?」



ムニムニッ



そう言いながら、私の胸を揉んでくる一人の女の子。いくら女子しか居ないと言っても、初めてされた事の上にとても恥ずかしかった。気付くと頬を熱い感触が伝った。



「んっ、お願い。止めて・・・。」



私の顔を見てなのか、それとも声を聞いたからなのか動いていた手は止まり、そして私の胸から離れた。



「・・・ごめん。泣くと思わなかった。軽いスキンシップのつもりだったんだけど、やり過ぎだったね。」



そう言って、私の胸を揉んでた子は私に謝る。謝罪の心が見えたので、私は謝った女の子にこう言った。



「やって良い事と悪い事があるよ・・・。まだ私達初対面なんだから。」


「・・・ん?って事は仲良くなったらやって良いんだね?」


「それでも!これは悪い事だよ、もう。」


「ごめんごめん。伊藤さんが可愛かった上に、胸が大きかったからさ。私もそれくらい成長しないかなぁ・・・。」



そう言いながら、その子は胸に手を当てながら見た後に私の胸を見てくる。私は腕で胸を思わず隠す。そして、素早く着替える。



「そんなに警戒しなくても良いのに・・・。あ、私出席番号9番佐藤恭子、よろしくね。後、私の事は恭子で良いよ。」



私がそんな行動をしている事にあまり思う所などない様に、淡々と自己紹介された。そう言えば私、他の子全員の名前すら知らないんだっけ・・・。自己紹介されたから紹介し返すのが普通だよね?



「伊藤加奈子。よろしくね、恭子ちゃん。」


「早速名前で読んでくれるのは嬉しいな。よろしくね、えーっと・・・。」


「私の事は加奈子で良いよ。でももう、いきなりあんな事しないでね。あれ、恥ずかしいんだから・・・。」


「分かってる。男子の前ではしないよ。でも、あの東君だっけ?彼の前ではした方が良いんじゃない?彼鈍そうだもん。」



太郎君が鈍いのは分かるけど・・・、太郎君の前だと余計に恥ずかしいよ・・・///。あれ?今そう言えば・・・。



「男子の前でしないってのはどうして?」


「真鍋君と話してる見てて、加奈子男の人苦手なんじゃないかって思って。あの東君には普通だったけど。だから思ったの。」



意外に見てるんだ。人は見かけによらないって本当だなぁ。でも何で私の事見てたんだろ?まぁ、いっか。


そんなやり取りを着替え中に行った後、身体測定が行われた。内容自体は至って普通、何事も無く終了した・・・あくまで女子の方は。


何か、男子生徒で覗きをしていた人が居たらしい。その関係で女子は測定後着替えたら即下校、男子は問答無用で居残りとなった。太郎君が犠牲にならなくて良かった・・・。


私は恭子ちゃんとそれ以外のクラスメイト2人と一緒に帰る事にした。恭子ちゃんのお陰もあってかその子達とも仲良くなれた。私は心の中で安堵していた、正直友達が出来るか不安だったから。


その二人と別れて、恭子ちゃんと二人になる。私は恭子ちゃんにお礼を言う。



「ありがとね。私、友達作り上手くないから恭子ちゃんのお陰で3人も友達出来たよ。」


「別にお礼なんて良いよ。・・・あれ?3人って言ってたけど、もう一人は誰?」


「そんなの恭子ちゃんに決まってるよ。恭子ちゃんが高校で最初の友達だね。改めてよろしくねっ!」


「///・・・うん、よろしくね改めて。」


「あれ?恭子ちゃん、顔赤いよ?大丈夫?」


「大丈夫大丈夫、何とも無い何とも無いっ!!!」


「本当?なら良いけど、何か変な気分になったら言ってね?」


(変な気分にならなってるよ・・・。私、どうしちゃったんだろ。加奈子は確かに可愛いし笑顔が素敵だし、でも流石にそれは無い・・・はず。そうよねっ、私!)



それから恭子ちゃんはしばらく黙ってて、気付くと恭子ちゃんと別れる道にまで来ていた。



「じゃあ、私こっちだから!また明日ね、加奈子。」


「うんっ!じゃあね、恭子ちゃん。また明日!」



そう言って恭子ちゃんは走って行っちゃった・・・。結局ずっと顔が真っ赤だったけど、本当に大丈夫かな?


それと、太郎君明日学校に来るかなぁ・・・。明日も起こしに行って良いのかな?あんな事があって、本当に太郎君大丈夫かな?・・・何だろ、心配事ばっかり出て来る。


結局私は太郎君の家には寄らず、そのまま家路に着いた。本当はすぐに太郎君のお見舞いに行きたかった。だけど、太郎君はきっと寝てるはず。そう思うと起こしてしまうのを悪いと思ったし、何より・・・太郎君の気分が悪くなったのはあの7年前の事故の事でだもんね。


被害にあってない私は太郎君の気持ちを簡単には理解出来てあげられないから、だから太郎君が気持ちを整理する時間が必要だと思った。


私はそのまま部屋で着替えて、いつも通り食事とお風呂を済ませてベッドに入った。いつもより考え事をしたからだろうか、今日はすぐに眠りに就けそうだ。もうそこまで睡魔が来てる。


明日は、いつも通り太郎君を迎えよう。太郎君が・・・変に気を使わなくても良いように。太郎君が普通に学校に行ける様に・・・。


そう思いながら私は眠りに付いた。結局の所、今の時点で私に出来る事がいつも通りに振舞う以外に何も出来ない事を、私は悔やんだ。だがそれも仕方ないのかもしれないと、心を落ち着けた。



かくして私の高校生活1日目は、太郎君の体調不良・新しい形での友達の作成と、波乱に幕を閉じた・・・。
2010/11/07 Sun. 15:18 | trackback: 0 | comment: 0edit

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